2022年10月19日 掲載
を使ったワークショップ開催
しゃべらないモノに音声をあてる、個性的なワークショップに多数の学生が参加
「アート&デザイン」をコンセプトに、古い文化と最新テクノロジーを自由に織り交ぜで工夫とアイデアで生きていくことのできる「柔らかい人間」を育てることをテーマにした東北芸術工科大学。今回プロダクトデザイン学科の学生を対象に Voice Track Maker を活用したワークショップが開催された。課題は「普段はしゃべらないモノがもし喋ることが出来たら?」。
柔らかい発想をフル回転して学内にある身近なものをキャラクター化した動画を制作、プレゼンテーションを実施した。普段は主にプロダクトのデザインを学んでいる学生たちが、音声を使ったインタラクションデザインに初挑戦。試行錯誤しハマりながらも、完成度高く仕上げた作品を制作した学生と、担当教官にお話を伺った。
柔らかい発想をフル回転して学内にある身近なものをキャラクター化した動画を制作、プレゼンテーションを実施した。普段は主にプロダクトのデザインを学んでいる学生たちが、音声を使ったインタラクションデザインに初挑戦。試行錯誤しハマりながらも、完成度高く仕上げた作品を制作した学生と、担当教官にお話を伺った。
加茂 孝基:ユーザーフレンドリーで、直感的に使える
寺島 悠太郎:プレーンな状態でも伝わるが、リズムを変更するとより良くなる
Voice Track Maker を実際に触る前は、音声合成ツールは数値的な調整など理工学部系の方々が扱うもの…と思っていたのですが、実際に触ってみると感覚的に操作できてとても面白かったです。これまではプロダクトならではの「手で触れられるモノ」のデザインをメインにやってきましたが、今回、「音声インタラクション」という触れることができない領域を自分でデザインする…といった、とても貴重な体験をすることができました。テキスト入力をしただけのプレーンな状態でも、ちゃんと話している、リズムがある音声になっていて、ツールのクオリティの高さを実感することが出来ました。
目指していたのは、主人公であるモデメ爺(モデルメイク室の主)の感情を表現することでした。怒っているときは、怒鳴り声のように「声を高くする」調整をしたのですが、ただ声が高くなっただけで何かが足りない状況になってしまいました。いろいろと考えた結果、声の高さだけでなく、話すテンポや「間」が重要だと気が付きました。しゃべる速さと会話の「間」、ここに注力した結果、思うような仕上がりに近づけることができたと思います。
今回のワークショップを通じて、今まで持っていなかった武器を一つ増やせた、という実感と、何か壁にぶち当たった時、違った視点で考えることが有効であることを学ぶことができました。
目指していたのは、主人公であるモデメ爺(モデルメイク室の主)の感情を表現することでした。怒っているときは、怒鳴り声のように「声を高くする」調整をしたのですが、ただ声が高くなっただけで何かが足りない状況になってしまいました。いろいろと考えた結果、声の高さだけでなく、話すテンポや「間」が重要だと気が付きました。しゃべる速さと会話の「間」、ここに注力した結果、思うような仕上がりに近づけることができたと思います。
今回のワークショップを通じて、今まで持っていなかった武器を一つ増やせた、という実感と、何か壁にぶち当たった時、違った視点で考えることが有効であることを学ぶことができました。
若林 明日香:気持ちを伝えられる音声が作れる…使っていてとても心地よい
はじめ音声合成ツールに対しては、専門的で難しいイメージを持っていました。しかし、先生に教わったとおり自分で触ってみると、スムーズに操作でき、素人の自分でも使えるということに驚きました。そして何より、人間の会話のように気持ちを伝えられる感じが、使っていてとても心地よかったです。
私の作品は、5色のペンがキャラクターになって登場するのですが、それぞれの個性をVoice Track Maker を使って表現することが課題でした。最初は自分が5色のキャラを演じ録音、合成音声に真似させたとき、狙った表現にならない部分が結構ありました。いろいろ試行錯誤したのですが、無理な表現を目指していることに途中で気が付き、あまりそういった音を入れすぎないように表現を再調整しました。ここは結構難しかったです。
私はもともと声優さんにも興味があったので、今回音声の持つ特性や価値を考えるきっかけをもらえたことにとても感謝しています。
今回のワークショップで得た「音声」に対する知識が、今後のアウトプットに大きなプラスになることを期待しています。
私の作品は、5色のペンがキャラクターになって登場するのですが、それぞれの個性をVoice Track Maker を使って表現することが課題でした。最初は自分が5色のキャラを演じ録音、合成音声に真似させたとき、狙った表現にならない部分が結構ありました。いろいろ試行錯誤したのですが、無理な表現を目指していることに途中で気が付き、あまりそういった音を入れすぎないように表現を再調整しました。ここは結構難しかったです。
私はもともと声優さんにも興味があったので、今回音声の持つ特性や価値を考えるきっかけをもらえたことにとても感謝しています。
今回のワークショップで得た「音声」に対する知識が、今後のアウトプットに大きなプラスになることを期待しています。
~ワークショップを企画した堀内芳明講師~
本学科には、企業と連携して行うワークショップがいくつかあり、今回はその中の一つとして「プロダクトのコンセプトを伝える実習」という意味合いで実施しました。どれも創意工夫がされていて、限られた時間の中でとてもよくできた作品ばかりでした。
ユーザーインターフェースを考えるとき、本学科の学生は、グラフィック面での制作経験は積んでいるのですが、音声に関しては、ほぼ全員が今回初めてのチャレンジでした。今回、使い勝手がよく音声表現を自由に編集できるVoice Track Makerを活用することで、学生自らが音声を作成、提案を行う…という貴重な体験が可能となりました。今後学生たちが生み出すプロダクトに音声という要素をプラスして、より説得力のあるプレゼンテーションができるようになるのではないか?と大いに期待しています。
ユーザーインターフェースを考えるとき、本学科の学生は、グラフィック面での制作経験は積んでいるのですが、音声に関しては、ほぼ全員が今回初めてのチャレンジでした。今回、使い勝手がよく音声表現を自由に編集できるVoice Track Makerを活用することで、学生自らが音声を作成、提案を行う…という貴重な体験が可能となりました。今後学生たちが生み出すプロダクトに音声という要素をプラスして、より説得力のあるプレゼンテーションができるようになるのではないか?と大いに期待しています。
イントネーションが違っていると感じたところを重点的に調整しましたが、少しずつ調整しながらリプレイしていくうちに、どれが良いのかだんだん分からなくなって…。リセットしてもう一度調整作業をやり直したりもしました。ハマってしまった時は少しだけ発想を転換して、文章(台本)を変更するといったアプローチをすると制限時間内で仕上げることができました。
最近の音声合成技術の進化は早くて、どんどん人間の声やしゃべり方に近づいているとは思うのですが、そういった側面とは別に、ユーザーが自然に受け入れるためにはある程度の「違和感」があった方が安心感があるのではないか?と自分は考えています。その「違和感」が気付きを与え、人の足を止め、耳を傾けさせる効果を持ちつつ、聞きやすさがプラスされれば、もっともっといろんなシーンに活用できるのでは?  Voice Track Maker の持つ編集機能はそういったことを簡単に試すことができ、新しい表現の可能性を広げられると感じました。